高橋ひかる 負けん気で銀幕デビュー
2014年の「国民的美少女コンテスト」でグランプリを獲得した高橋ひかる(14)が、俳優・竹野内豊(44)主演映画「人生の約束」(16年1月9日公開)で女優デビューを飾る。栄冠から約半年でオファーがかかる異例の大抜てき。「池中玄太80キロ」など数々の名作ドラマを手掛け、今作が映画初監督作品となった巨匠・石橋冠監督も絶賛する美少女は、明るい笑顔の裏に負けず嫌いな一面を秘めていた。
映画は主人公・中原祐馬(竹野内)が亡き親友の故郷・富山県を舞台に自身の人生を見つめ直す物語で、高橋は親友の娘・渡辺瞳を演じた。中原が再生していくきっかけを作る重要な役柄だ。
異例の早さでつかんだ銀幕デビューは、1月に事務所の社長室で社長から聞かされた。14年8月のグランプリ獲得からわずか5カ月。高橋は「衝撃過ぎて話の内容を覚えていない。『巨匠だからいいのができる』と。うれしい反面、緊張もありました」と、喜びと不安が入り交じった思いを振り返った。
滋賀県在住の高橋は母親相手にセリフを合わせ、何度も台本を読み直した。毎週、上京してレッスンを受け、監督からもしぐさやセリフの間など細かく個人演技指導を受けた。
入念に準備したが、涙を流すクライマックスシーンで苦しんだ。自身の涙待ちに「時間が長く感じ、『やばい』と思った」と焦った。周囲から「目薬、使う?」と打診されたが拒否。竹野内から「泣かないぞと思う方がいい」と助言を受け、シーンを乗り越えた。
道具に頼らなかった負けず嫌いな性格に監督も「根性がある」と評価する。高橋は「小学生の頃から負けたくない気持ちがあった。持久走で1番が3回。『気持ちいい』と思っていたら抜かされて…。『もっと頑張らないと』と思った」と笑顔で語る。努力が実る喜びと、それでも届かない悔しさを知って芽生えた感情だった。
「50点」と今作の演技を振り返った高橋は「もっと頑張らないと。今回はおとなしい役だったので、一匹おおかみのようなクールな役で学園ドラマも挑戦してみたいですね」。普段は明るく笑顔の美少女が、秘めた負けん気でキラリと光る未来を切り開いていく。