三池監督が映画撮影所の分煙に決起
「十三人の刺客」や「藁の楯」などで知られる映画監督の三池崇史氏(55)が映画撮影所の喫煙スペースのプロデュースを手がけたことが、このほど明らかになった。
三池監督プロデュースの喫煙所ができたのは東京・日活調布撮影所。これまでの撮影所では、各スタジオの外に吸い殻を入れる大きな缶が置かれ、スタッフが立ち話をしながら一服する光景がおなじみ。喫煙者にとって十分な数の灰皿も、快適空間も確保できているとは言えなかった。
また、撮影所としても、小さな灰皿を多くの喫煙者が所狭しと取り囲む姿が、非喫煙の利用者に対していい印象を与えないこともあり、吸う人、吸わない人両方に対して快適な空間を提供したいと願っていた。
これに、映画を愛し、撮影所を常用している三池監督が立ち上がった。撮影所、JTとタッグを組み、喫煙環境整備に乗り出した。
三池プランでは、張りつめた緊張を解きほぐすための一服を楽しめ、新たなアイデアがひらめくきっかけとなるような空間をイメージ。監督やスタッフ、演者間のコミュニケーションにも役立つ喫煙スペースを目指した。また、たばこが映画の歴史において果たした文化的なイメージも反映させた。
完成した喫煙スペースは、ウッドフローリングに灰皿とイスを設置し、光が降り注ぐ、カフェのような明るい場所になった。三池監督も「大切な活動の場をより快適に、嫌煙者にも愛煙者にも愛される場所をイメージした、これもまた作品のひとつです。理想的な分煙の形を愛煙者側からも発信することが必要な時代になったのではないでしょうか」と大満足だ。
三池監督は東宝撮影所の喫煙スペースのリニューアルも手がけており、喫煙環境改善の動きは今後、映画界全体に広がっていきそうだ。