中村芝雀 雀右衛門の五代目を襲名
3月から女形の大名跡、中村雀右衛門の五代目を襲名する歌舞伎俳優の中村芝雀(60)がこのほど都内で取材に応じ、3月3日から東京・歌舞伎座で始まる襲名披露公演への意気込みを語った。
芝雀の父、四代目雀右衛門は人間国宝にもなった名女形で、2012年、91歳で亡くなった。芝雀の襲名で「雀右衛門」は4年ぶりに復活するが、その分責任も重く、芝雀は「図らずも60歳で父の名跡を継ぐことになった。身の引き締まる思い。生まれ変わったつもりで舞台を務めさせていただく」と決意表明した。
襲名にあたり、時計を父の遺品・ロレックスに変えた。芝雀は「お守り、おまじないのようなもの。カンフル剤みたいなものでもあるし」と明かし、3月からは父が愛用していた鏡台も使うという。「父はあこがれというより目標」という芝雀は襲名公演で父の当たり役だった「鎌倉三代記」の時姫、「金閣寺」の雪姫を演じる。