阿藤快さん最後の舞台再演 藤森が抱負
昨年11月に大動脈瘤(りゅう)破裂胸腔(きょうこう)内出血で急逝した俳優・阿藤快さん(享年69)の最後の舞台「MOTHER-マザー- ~特攻の母 鳥濱トメ物語~」が24~28日に東京・新国立劇場小劇場で再演される。主演のスポーツキャスター・大林素子(48)と、阿藤さんの役を引き継いだ俳優・藤森太介(55)がこのほど本紙に阿藤さんへの思いを語った。
特攻隊員が出撃直前に訪れた鹿児島県知覧町の食堂を切り盛りし、戦後「特攻の母」と呼ばれた鳥濱トメさん(大林)の半生を描く舞台。阿藤さんは警察署長役で、昨年11月1日の大阪公演が最後の出演だった。
大林は「演技で悩んでいる時、『思いっ切りやればいいんだよ!』と笑いながらおっしゃっていただき、とても安心させてくれました」と回想。「楽屋に快さんの写真を飾り、快さんが大切にされていたこの作品に対する思いもお客さまにお届けできるよう、精いっぱい演じさせていただきます」と誓った。
劇団NLT出身のベテラン・藤森は「大好きな俳優」という阿藤さんの役を引き継ぐにあたり、演技をなぞるべきか悩んだというが「阿藤さんも(まねを)喜ばない。自分にできるのは阿藤さんの思いを引き継ぐこと」と結論。阿藤さんの衣装を着用するといい、「『なんだかな~!』と言われないように」と意気込んでいる。