地震から6時間半 小さな命助かった
熊本県益城町で最大震度7を観測した熊本地震で、熊本県警は15日、建物の倒壊などによる9人の死亡を確認したと発表した。けが人は千人を超え、53人が重傷。20軒以上の家屋が倒壊した。地震発生を受け、安倍晋三首相(61)が14日に収録に参加し、17日の放送を予定していたフジテレビ系「ワイドナショー」(日曜、前10・00)が、首相の出演部分をカットする可能性が高いことが分かった。また、芸能界からも心配の声が相次いだ。
地震で最も被害の大きかった熊本県益城町。発生から約6時間半後、崩れ落ちた住宅の隙間からほぼ無傷の乳児が見つかり歓声が湧いた。
1階寝室で西村亜沙美さんが生後8カ月の娘美玖ちゃんを寝かしつけた直後、地震が起き2階が崩れ落ちた。消防隊員や警官ら50人以上が駆け付けた。「子どもの声が聞こえたぞ」。閉じ込められた場所に近いとにらんだポイントに穴を開け、内部に入ろうと試みるが、何度も余震が襲う。「ギギーッ」。向かいの住宅がきしみ、周囲はガスの臭いが立ち込める。隊員らは度々住宅から離れ、手順を検討し直すなど作業は困難を極めたが、15日午前4時前、隙間から美玖ちゃんを見つけた。「ワーッ」と湧き起こる歓声。隊員らのほおが緩んだ。