ジェーンズ邸は全壊 通潤橋も被害
16日午前1時25分頃、熊本県で震度6強の地震があった。その後、短時間に震度6弱以上の地震が相次いで3回発生。ビルや家屋が倒壊し、県などによると、新たに男女32人が死亡、14日以降の死者は計41人となった。9万人以上が避難し、九州の広範囲で千人以上が重軽傷を負った。
熊本県南阿蘇村では大規模な土砂崩れがあり、国土交通省によると、国道57号やJR豊肥線が寸断した。全長約200メートルの阿蘇大橋は崩落。熊本県によると、同村と西原村にまたがる俵山トンネルも崩落し、熊本市から阿蘇地方に向かう主要な交通路が断たれた。
文化財も大きな被害を受けた。県によると、熊本城(熊本市)では、国の重要文化財で築城された17世紀から当初の姿を残していた「東十八間櫓」「北十八間櫓」が倒壊。日本最大級の石造りアーチ水路橋「通潤橋」(同県山都町)も被害を受けた。
阿蘇神社(同県阿蘇市)では、国の重要文化財「楼門」が押しつぶされたように崩れた。日本赤十字社発祥の地とされる洋館「熊本洋学校教師ジェーンズ邸」(熊本市中央区)も全壊。市によると、修復は困難だという。