歌丸「笑点」引退79歳「体力の限界」

 落語家の桂歌丸(79)が30日、東京・後楽園ホールで行われた日本テレビ系「笑点」の50周年記念スペシャル(5月15日放送)の公開収録に参加し、5月22日の生放送をもって同番組から退くことを発表した。歌丸は1966年5月15日の第1回放送から出演し、2006年5月21日、故五代目三遊亭円楽さんの後を継いで五代目司会者に就任。今後は「終身名誉司会者」に就任する。後任について同局は「検討中」としている。

 50周年と同時、「笑点」が大きな節目を迎えた。収録の最後、歌丸が「私からちょっとお知らせがございます」と切り出す。戸惑いが広がる中、「5月22日の生放送をもって、大喜利の司会を最後とさせていただきます」と、努めて淡々とした口調で発表した。

 収録後の会見では「体力の限界なんですね。歩くことが大変に苦しいんです」とポツリ。昨夏に腸閉塞の手術で休養した際、日テレに降板の意思を伝えたといい、「50周年を控えているので、それまで生きていろと言われて」と冗談めかしつつ、この日を区切りに選んだ理由を明かした。

 大喜利メンバーには今年1月に伝え、口外しないよう念押ししたという。一番の思い出を問われると「先代の円楽さんが少し体調をお悪くされた時、『歌さん、頼む』と言われた。これは生涯、私の頭から離れません」と述懐した。

 現メンバーで唯一、第1回から出演するだけに「正直言いまして、それは寂しいですよ。名前と顔を全国的に売り出してくださった番組ですので…」としみじみ。それでも「踏ん切りをつけないと席を譲ることはできませんので」と、後進への思いも吐露した。本放送直前に放送される5分間番組「もう笑点」出演は続ける。

 歌丸との掛け合いが名物の六代目三遊亭円楽(66)は「聞いた時はぼう然というのが本当でした」と声を震わせた。「死ぬまでやったらいいと思ったんですよ。でもウチの師匠もそうでしたが、男の引き際というのはこういうもの」と、歌丸の決断をたたえた。

 話しながら寂しさがつのったのか、円楽は「笑点を通じて時々『生きてるか』と信号送りますから、『生きてるよ』と返してください。もっと勉強しろと叱ってください」と涙。歌丸はそんな円楽を、穏やかな笑顔で見つめていた。

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