３日午前１１時ごろ、神戸市中央区のＪＲ三ノ宮駅北側の繁華街で、乗用車が暴走して歩行者の男女５人を次々とはね、車に乗っていた２人を含む計７人が重軽傷を負った。いずれも命に別条はない。兵庫県警は自動車運転処罰法違反（過失傷害）の疑いで、車を運転していた神戸市中央区の無職沢井国一容疑者（６３）を現行犯逮捕した。同容疑者は「事故の状況はよく覚えていない。後から思い出したい」と供述し、持病があるという。

　沢井容疑者は赤信号を無視して交差点に進入、歩道などで５人をはねた。飲酒の反応は出なかった。車は右に曲がりながら進み、駅ロータリー付近の歩道に乗り上げ、大通りを横切り、モニュメントの台座にぶつかって停止。途中、ボンネットにはねた２人を乗せた後、振り落としたとみられる。近くに止まっていたタクシーのドライブレコーダーにも暴走が記録されていた。

　歩行者５人のうち大阪府八尾市の会社員井上和也さん（５１）と妻の会社員郊美さん（４４）、次女の中学３年菜緒さん（１４）が頭を打つなどして重傷。神戸市長田区の男性（２９）と妻（３２）、沢井容疑者と同乗の息子（２２）が軽傷。和也さんの母によると、井上さんらは家族４人で神戸市へ食事に訪れていた。母は、孫（１７）からの連絡で駆け付け「まさかと思った」と話した。