石原軍団 熊本で5年ぶり炊き出し
俳優・舘ひろし(66)ら石原軍団が11日、熊本地震の被災者が避難している熊本県益城町総合体育館に隣接する陸上競技場で、約5年ぶりの炊き出しを行った。急性心筋梗塞のリハビリに励む渡哲也(74)から命を受けた舘を中心に、所属俳優の宮下裕治(41)や金児憲史(37)、スタッフ、ボランティアら約100人が参加。「元気食堂」と銘打ち、石原プロ名物のカレーや豚汁、舘監修のおしるこなど1200食を振る舞った。
午前11時、陣頭指揮を執る舘が「いらっしゃいませ!!」と野太い声で“食堂”を開店した。最高気温32℃という猛暑の中、ショウガ焼き、から揚げ、サラダ…午前6時半から準備した1200食は、3時間でなくなった。
地震発生から14日で2カ月になる。本震が発生した4月16日、渡が炊き出しの準備を進めるよう関係者に相談し、慎重にタイミングを見極めてきた。
倒壊した住宅が目立つなど被害の大きい益城町では現在、朝と昼におにぎりとパンが1個ずつ、夜は弁当が支給されている。だが、同町在住の竹川たか子さん(68)は「最初は炊き出しも多かったけど、最近は同じメニューのお弁当が続いていた。2カ月たった今、来てもらえて良かった。寿命が延びました」と感謝。目を輝かせて舘らに声援を送った。
舘は9日、渡の自宅を訪れた。「誠心誠意、頑張ってください」-無理のきかない体ゆえに現地入りできず、無念であろう渡の言葉。思いを受け取った舘は「僕らが差し上げられるのは元気だけ」と、写真撮影に応じたり、泣く子供に代表曲「泣かないで」を口ずさんだりと、フレンドリーに交流を続けた。
被災者の女児から折り紙の花束を贈られると、笑みがこぼれた。「『来てくれてありがとう』と言ってくれて、涙ぐんでる方もいらっしゃいました。本当に来て良かった」。
炊き出しは15日までを予定。「被災者の方に寄り添いたい」と、舘や、この日は仕事で参加できなかった神田正輝(65)らは会場脇のキャンピングカーで寝泊まりしつつ、のべ1万2000食を届ける。