神田正輝コラム、母・旭輝子の影響ない

 【ナンダカンダで40年】デビューして5年目くらいの時、オフクロ(旭輝子さん)に聞いたことがあるんですよ。「俳優ってどうなの?芝居とかどうするの?」って聞いたら、「私は女優だ。人にお芝居を教えられない。ましてや、女優は男優には絶対教えられない」って、厳しい言葉が返ってきました。

 だから母親が女優だからといって、その影響は全然ないです。オフクロは何も言わなかったから。人のお芝居を役者がつけちゃいけないということですよね。オフクロの芝居も見たことはないし。

 石原裕次郎さんはうちのオヤジにどことなく雰囲気が似てた。俳優っていうオーラを全然出さず、しゃべりやすかった。僕は若大将(加山雄三)の時代で、石原さんはその前の時代。子供の時はオフクロと「風速40米」(1958年公開)を見たくらいです。

 自分で見たのは「栄光の5000キロ」(69年公開)。劇中に出てくる日産の車が欲しかったんだけど、中古でも買えなくて。いろんなパーツを買ってきて、取っ替え引っ替えして自分のを作った。今の車はいじれないですからね。いい時代だったかもしれないです。車に限らず、時計や鉱石ラジオとかも。

 今はメールとか便利なようで、思ったことが通じてるのかなと思いますね。僕は「ありがとうございます」「NG」「OK」くらい。ガラケーは今後もなくならないでしょう。点字もあるし。ネットの通販にしても、靴を買うのに、実際に店で履かないでよく買えるなと思いますよ。

 ドラマでも今は時代劇が減っている。時代劇を理解して楽しむ人が少なくなっているから。これがアメリカなら西部劇になるんだろうけど、靴とズボンを履く生活様式は今とあまり変わらない。日本の場合、中ぞりしてちょんまげ結って着物に刀でしょ。想像できないですよね。

 役者って究極のアナログ商売ですよ。歌舞伎役者も、江戸時代から元手は身体なんだから。デジタルでできるのはアニメくらいで。俳優がしゃべって動くのはアナログの元みたいなものですよね。でも台本をパソコンで書くようになると、今の作家さんは読めない字ばっかり変換してくる。「魑魅魍魎」とか難しい字だらけなんですよ(笑)。その辺は良し悪しですよね。

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