森川葵 「花戦さ」ヒロイン抜てき

 女優・森川葵(21)が、狂言師・野村萬斎(50)主演で主役級のベテラン俳優が顔を揃えた時代劇映画「花戦さ」(来年公開)のヒロイン役に抜てきされ、このほど京都市内で取材会を開いた。ヒットメーカーの脚本担当・森下佳子氏(45)が森川の出演ドラマなどを見て製作陣に強く推薦。カメラが回ると強い眼力を放つ森川を、萬斎は「アラーキー(荒木経惟氏)さんが喜んで激写しそうな色気がある」と評した。

 同作は戦国時代を舞台に、華道の名手・池坊専好(萬斎)が豊臣秀吉の圧政に刃ではなく花の美しさをもって立ち向かい、千利休の仇(あだ)を討つ物語。森川は主人公と互いの才能に引かれ合う天才画師「れん」を演じる。

 萬斎のほか、佐藤浩市(55)、中井貴一(54)、佐々木蔵之介(48)、市川猿之助(40)ら大物俳優が競演する中に飛び込んだ森川は「すごい方々に囲まれて、本当に私でいいんだろうかと。どこに立って、誰からあいさつに行けばいいのかも迷いました」と戸惑ったことを明かした。出演者がそろっての初の台本読みではうまく声が出なかったという。

 ただ、女優歴は4年ながら堂々とした一面も持つ。「これまでは、おしゃべりな役が多かったですが、今回は表情、目つきでも勝負できる役柄」と冷静に分析する。撮影に入ってからは、萬斎らが次々にアイデアを出しながら進行する様子に触れ、「時代劇だと堅苦しくならず、自由にチャレンジしていいんだと思いました」と、学ぶことが多い日々となったようだ。

 萬斎は、森川について「普段はハキハキしているのに、カメラが回ると何ともいえない色気を発して、アラーキーさんが喜んで激写しそうな女優さんですね。いい演技してますよ」と語る。

 ヒロイン抜てきは、TBS「JIN-仁-」、NHK朝ドラ「ごちそうさん」などをヒットさせ、来年のNHK大河「おんな城主 直虎」も手がける脚本担当の森下佳子氏が、ドラマでの森川に興味を持ち、製作陣に起用を頼み込んだことがきっかけだった。

 「目指す姿を持たずに挑戦して、いろんなことができる女優になりたい」と語る森川が、父親のような世代の俳優らに囲まれた大作でどんな色彩を発するのか注目される。

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