キアロスタミ監督死去 世界が認めたイラン映画の巨匠
イラン学生通信によると、イラン映画の巨匠として世界的に知られた映画監督アッバス・キアロスタミ氏が4日、パリ市内で死去した。76歳。腸の病気を患い、3月から首都テヘランの病院で治療し、最近パリに移り、治療を続けていた。
1940年、テヘラン生まれ。テヘラン大で学び、70年代初めに監督としてデビューした。「友だちのうちはどこ?」(87年)は日本でも人気を博した。
プロの俳優ではない市井の人々を起用し、演技直前まで役者に脚本を渡さないなど独自の手法で自然な演出を追求。小津安二郎監督の影響も指摘され、詩情豊かな映像が世界中で高く評価された。
「桜桃の味」(97年)でカンヌ国際映画祭の最高賞パルムドールを受賞。2012年の日仏合作映画「ライク・サムワン・イン・ラブ」は主役の日本人男性を公募し、高梨臨や加瀬亮を起用。横浜市や静岡市で撮影した。
日本とイランの文化交流への貢献が評価され、13年には旭日小綬章を受章した。