鳥越氏の政策 目玉はやっぱり「がん検診」 1日遅れの公約発表後初の演説

 31日投開票の東京都知事選挙に野党4党の統一候補として立候補している、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)が16日、都内2カ所で演説を行った。15日夜に自身の公式サイトで政策を発表してから初の演説となったが、この日も2020年東京五輪や待機児童の問題よりも、がん検診を重視する姿勢を改めて示した。

 硬骨のジャーナリストとして、「ぶれない姿勢」は示した。1000人以上の聴衆を集めた北千住駅前での演説を終え、報道陣から改めて政策骨子を問われた鳥越氏は、介護、待機児童、東京五輪など、都政が抱える課題を挙げた上で「その中でもがんというのは、日本国民、東京都民の頭の中に不安として存在している」と、がん検診問題を最上位に置く姿勢を貫いた。

 12日の出馬会見では明確な政策を示せず、14日の告示までに完成させると宣言していた鳥越氏。1日遅れて、自身の公式サイト、ツイッター、フェイスブックに掲載した政策集は、「都政への自覚と責任」「夢のある東京五輪の成功へ」など6項目に及んだ。

 そのうち、3番目に記されたのが「都民の不安を解消します」。がん検診の促進などを訴えたものだった。この日の2カ所の演説でも、「私が都知事になったら、まずはがん検診の受診率50%を達成する」と強調した。

 鳥越氏を統一候補とするため、出馬を辞退した元日弁連会長の宇都宮健児氏(69)の公約とは、一致した部分もあったが、「築地市場の移転中断」「都独自の子ども手当導入の検討」などは引き継がれなかった。この点について鳥越氏は「それは独自に考えたんで…。こちらの判断です」と話すにとどめた。

 大局的な政策に関しては、この日も明確には示さなかった。それでも聴衆からは「鳥越コール」が沸き起こるなど、反応は上々。鳥越氏も「手応えは、予想以上です」と満足そうに笑みを浮かべた。

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