庵野監督「シン・ゴジラ」会見で異例の謝罪 「ヱヴァ」復活も意欲
東宝が12年ぶりに製作する人気特撮シリーズの新作映画「シン・ゴジラ」(29日公開)の完成報告会見が19日、都内で行われ、庵野秀明総監督(56)と主要キャストが登壇した。2012年公開の第3弾を最後に新作が発表されていない「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズも手がける庵野氏は、冒頭で「ヱヴァ」ファンに謝罪。「シン・ゴジラ」がシリーズ史上最多となる世界100の国と地域で配給されることも明らかとなった。
自ら切り出した。庵野氏は会見の冒頭、「最初に謝っておきたいことがあって…『ヱヴァンゲリヲン』のファンの方には本当に本当に本当にお待たせしています。本当にすいません」と謝罪。「シン・ゴジラ」の会見であることを考えれば異例のあいさつだった。
「シン・ゴジラ」総監督のオファーを受けたのは13年1月末。12年公開で興収53億円の大ヒットとなった映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」に尽力した反動で、鬱(うつ)状態だったという。
庵野氏は「『ヱヴァンゲリヲン』は僕自身ものすごく、魂としか言いようのない部分を削り取っていく作品。(『シン・ゴジラ』に)救われた気がします。この作品のおかげで『ヱヴァンゲリヲン』も作れると思います」と“ゴジラセラピー”の効果を口に。目先を変えて日本を代表する怪獣に心血を注いだことで、創作意欲がよみがえったという。
庵野総監督、そして「ヱヴァ」ファンの救世主ともなった「シン・ゴジラ」は、既に国外への“上陸”が決定。世界配給は、過去最多だった前作「ゴジラ FINAL WARS」の67の国と地域を大幅に上回り、100の大台に乗った。
主演の長谷川博己(39)は「劇中にもセリフがあるんですけど『日本はまだまだやれる』。本当にそれを証明できたんじゃないか」と充実感をにじませた。初の政治家役に挑んだ竹野内豊(45)も「もう日本だけのゴジラじゃない気がします」と胸を張っていた。