雀右衛門 “安珍・清姫伝説”由来の寺で顔見世での襲名披露成功祈願
京都で行われる年の瀬の風物詩「當る酉歳 吉例顔見世興行」で襲名披露する五代目中村雀右衛門が5日、京都・妙満寺で成功祈願を行った。今年は京都南座が耐震改修工事で休館中のため、先斗町歌舞練場で上演。「顔見世」では初の3部制となる。雀右衛門は第3部で女形舞踊の大曲「京鹿子娘道成寺」で白拍子花子を勤め、今回、作品の題材となった“安珍・清姫伝説”に由来する鐘が安置されている同寺での祈願となった。
雀右衛門は「縁の深い霊鐘を前にして、とても思いがこもった鐘だと感じました」と引き締まった表情を見せた。さらに「『道成寺』は女形にとって大切な舞踊の一つ。お客様に喜んでご覧いただけるように、父(四世雀右衛門)に教えを受けたことも思い出しながら勤めようと、一段と心がひき締まる思いです」と亡父への思いを口にした。
3月東京歌舞伎座より始まった襲名披露は、6月博多座、7月大阪松竹座を経て、12月に京都へ。「1カ月の長い興行期間なので、身体もしっかりと準備していくことも改めて決意致しました」と意気込みを見せた。
公演は11月30日~12月25日まで。