大学生“ブラックバイト”初公判 学生「怖くて断れず」
社会問題となっているブラックバイトが、ついに法廷で裁かれる。大手飲食チェーンの千葉県内の店舗でアルバイトをしていた大学3年の男性(21)が、当時の店長らから暴行や暴言を受けた上、賃金の一部が未払いだとして、男性が働いていた店舗をフランチャイズ経営していた「DWEJapan」(同県成田市)側に慰謝料など計約800万円を求めた訴訟の第1回口頭弁論が14日、千葉地裁(小浜浩庸裁判長)で開かれた。
意見陳述した男子大学生は、「怖くてバイトを断れなかった」と強調し、「誰にも相談できなくて苦しかった。学生だからといって会社の都合で働かせるのはあってはならない」と訴えた。
訴状によると、男性は県内の店舗で勤務していた昨年4~8月、昼すぎから深夜まで休みなく働かされ、大学の授業に出られなかった。当時の店長らから首を絞めるといった暴行を受けた上、不手際があったとして「4千万円の損害賠償請求をする」などと脅されたと主張している。
労働組合「ブラックバイトユニオン」によると、大学生らが学業に支障をきたすほどの過酷な労働を強いられる「ブラックバイト」を巡る訴訟は全国初という。
口頭弁論終了後、男性や代理人弁護士らは千葉市内で集会を開き、男性は「訴訟を通じて、ブラックバイトに苦しむ他の学生が声を上げやすくなるようになれたらいいと思う」と話した。
会社側も意見陳述し「未払い分の賃金などは直ちに支払う用意があり誠実に対応したい。慰謝料については適切な解決を図りたい」と述べた。