第３次安倍再改造内閣の発足後初の国政選挙となった衆院東京１０区、福岡６区の補欠選挙が２３日投開票され、東京１０区は公明党推薦の自民党前職若狭勝氏（５９）、福岡６区は無所属新人の鳩山二郎氏（３７）が当選した。安倍晋三首相は環太平洋連携協定（ＴＰＰ）承認案を巡る国会攻防に強気で臨み、早期の衆院通過を目指す。蓮舫民進党代表は国政選挙初陣を飾れず、野党共闘に課題を残した。

　自民党は当選の鳩山氏を追加公認。鳩山氏は自民会派入りする。首相は、自民党の二階俊博幹事長と電話会談し「国民の期待に応えるよう、政府と党が一体となり頑張っていこう」と述べた。民進、共産、自由、社民の野党４党は民進党候補に一本化。共産、自由、社民各党から推薦を受けない形式をとった。次期衆院選へ戦略の再構築が迫られそうだ。

　東京１０区補選は自民党衆院議員から東京都知事に転出した小池百合子氏の失職に伴い実施。自民は都知事選で党方針に反し小池氏支援に回った若狭氏を擁立。党内の反発を抑え、同時に小池氏支持層の取り込みを図り、民進党新人鈴木庸介氏（４０）らを引き離した。

　福岡６区は自民党の鳩山邦夫元総務相の死去を受けた補選で、自民党は邦夫氏次男の鳩山氏と無所属新人蔵内謙氏（３５）との公認調整に失敗。「弔い合戦」を掲げた鳩山氏の集票力が上回った。