ウクライナが新ドラマ発信源?「スニッファー」買い付け担当に聞く
NHK総合で22日から放送されているドラマ「スニッファー嗅覚捜査官」(土曜、後10時)は阿部寛と香川照之の豪華タッグで注目されているが、実はこの作品の原作はウクライナで制作された連続ドラマ。NHK版とは別に、ウクライナでのオリジナル版のDVDも今月4日から販売、レンタルが開始されている。韓国やアメリカなどのドラマはすでに日本国内で安定した人気を誇っている中、なじみのあまりないウクライナから作品を買い付けようと考えたのか、担当者に聞いた。
「スニッファー-」は人並み外れた嗅覚を持つ主人公が、警察に協力して現場に残されたにおいを頼りに難事件を解決していく、というストーリー。すでに日本でもオリジナル版は放送されており、CSを中心に放送しているAXNミステリーではシーズン2を流している。
買い付け担当者は海外の日本でも受け入れられそうな作品を日々探していた。日本になじみのない国や地域の作品を発掘する担当として、数々の作品に目を配っていたが、「スニッファー」には数年前に出会ったという。
「毎年2回フランスのカンヌに世界各国の配給会社、制作会社が集う見本市があるんですが、開催前に参加者に送られてくるマガジンに小さな記事があったんです」
それが「スニッファー-」だった。
主人公と刑事がタッグを組んで事件に挑む、いわゆる「警察バディもの」に分類される。日本でも「相棒」シリーズを筆頭に、こうしたタイプのドラマは安定したファン層がある。「ウクライナのドラマは紹介されたことがない」と未確定要素もあったが、それがゆえに興味をひかれた。
そして実際に作品を見て、より一層、強い関心を持った。「(主人公が)特殊能力があるから世間から飛び出ちゃっている感じ。でも、彼を守ってくれる人がいたりして」と日本人にもすぐに伝わる人情の機微も描かれていた。その後、交渉を進め無事に日本でも発売できる運びになった。
リメーク版はこの買い付けとは別ルートでNHKとウクライナの配給会社が交渉を進めていたため、ほぼ同時期にオリジナル版のパッケージ発売とリメーク版の放送が実現することになった。ウクライナの作品がアメリカ、韓国などに続く新たなトレンドの端緒になるのか。今後の盛り上がりに注目だ。