虎党・渡辺謙 糸井虎入りに歓喜ガッツポーズ 勢い余って“欽ちゃん走り”で退場
俳優の渡辺謙(57)が21日、都内で“2016年最も輝いた男たち”を表彰する「GQ MEN OF THE YEAR 2016」を受賞し、リオ五輪のメダリストら各界のスター10人の“センター”を務めた。大の虎党で知られ、オリックスから阪神へのFA移籍を決断した糸井嘉男外野手(35)について聞かれると渾身(こんしん)のガッツポーズで喜びを表現。猛虎の逆襲を確信するとともに「男とは風」と美学を語り、会場をうならせた。
栄えあるトロフィーをもらった時でさえ、クールでダンディーに振る舞った渡辺が“糸井猛虎へ”の吉報には全身が動いた。ステージを去り際、FA戦士の決断について感想を聞かれた瞬間、渋みのある顔をくしゃくしゃにし、右腕でガッツポーズ。勢い余って右足も上がり、欽ちゃん走りのようになって退場した。
所属事務所は「気持ちはすべてポーズに込めましたので、感じ取ってください」と説明。言葉にできぬほどの喜びだった。
今年は主演映画「怒り」が興収15億円超えのヒット。世界の映画祭を飛び回り、地球1周分以上の距離を移動した。9月の同作の会見では、猛虎愛ゆえに「怒りじゃないです。さみしいだけです」と低迷したチームへの思いを吐露したこともある。2月の胃がん手術、3月に妻で女優・南果歩(52)が乳がんの手術、同3月にミュージカル「王様と私」の再演、娘で女優の杏(30)が双子を出産…と公私で転機を迎えた1年だった。
柔道のベイカー茉秋(22)やケンブリッジ飛鳥(23)ら陸上男子400メートルリレーの日本代表4人、吉川晃司(51)に菅田将暉(23)、トレンディエンジェル…。ジャンルを超えたキラ星たちが黒のスーツで決める中、渡辺は1人だけ白いジャケット姿。特別な存在感を放ちながら「男とは風。突風があったり、逆風があったり、何かを巻き起こしたり。風を感じたり、起こしたりして、終わったら風のように去っていく」と人生の渋みを言葉に込めた。糸井外野手が、新風となって阪神を上昇気流に乗せると信じている。