歌舞伎俳優の中村勘九郎（３５）と長男の波野七緒八（５）、次男の波野哲之（３）、勘九郎の弟・中村七之助（３３）が２７日、東京・浅草寺で来年２月の「猿若祭二月大歌舞伎」（２月２日初日、東京・歌舞伎座）の成功を祈願し、参道を練り歩いた。

　二月大歌舞伎では、七緒八が三代目中村勘太郎、哲之が二代目中村長三郎を名乗り、「門出二人桃太郎」で初舞台を踏む。この日の天気予報は「雨」だったが、お練りが始まっても雨の降る気配がなく、勘九郎は「本当に雨だと思っていたのに、ビックリ。きょうは父が天気を作ってくれた。孫パワーですね」と晴れ男の異名を取った父の故十八代目中村勘三郎さんに感謝した。

　紋付き羽織・はかま姿の七緒八と哲之は山車に乗って本堂まで練り歩いたが、１万５０００人の観客からは「中村屋！」、「豆中村屋！」と声がかかり、時折拍手も湧いた。本堂前で勘九郎が「（息子２人が）２月に歌舞伎座で初舞台を踏みます。海の物とも山の物とも…ですが、ゆくゆくはひとかどの役者になれるよう、ご支援をお願いします」とあいさつ。続いて七緒八が「初舞台で中村勘太郎になります。どうぞよろしくお願いします」、哲之が「初舞台で桃太郎をやります。どうぞよろしくお願いします」とあいさつすると、さらに大きな拍手が巻き起こった。

　成功祈願には勘九郎夫人の女優・前田愛（３３）も姿を見せ、一門の記念撮影などに参加。勘九郎が「ドキドキしてるんじゃないでしょうか」と気持ちを代弁していた。