小川宏さん死去 90歳 ギネス認定の「小川宏ショー」など名司会者
フジテレビ「小川宏ショー」などで知られた名司会者でフリーアナウンサーの小川宏さんが11月29日に多臓器不全で亡くなっていたことが5日、分かった。90歳。東京都墨田区出身。フジテレビ「直撃LIVE グッディ!」が伝えた。
早稲田大学出身。NHKでアナウンサーとして「ジェスチャー」の司会を10年間務めた後、1965年に同局を退職。同年フリーに転身し、フジで「小川宏ショー」をスタートした。82年の番組終了まで17年間で放送回数は4451回を記録。「人の名前を冠にした番組の最長寿記録」として、「森田一義アワー 笑っていいとも!」に抜かれるまで長期間、ギネスに認定された。
最終回前日の82年3月30日の放送回には、巨人で活躍した長嶋茂雄さん、俳優・石原裕次郎さん、女優・高峰三枝子さんが出演した。
91年秋にうつ病を発症。一時は妻から離婚を切り出されるほど重症となり、93年3月には踏切自殺未遂も起こした。「死のう」と思い、新調したスーツを着て線路わきに3時間立ったが、思いとどまったことを後に明かしている。その後、入院。病気を克服し、99年にうつ病だったことや、自殺未遂、フリー転身後に設立したプロダクションで身内に裏切られ、9千万円あった貯金をすべてなくしたことなども告白した。
うつ病の体験も本にして出版し、現在は講演活動なども行っていた。名司会者であり、穏やかな語りで話術の達人としても知られた。
2000年のインタビューでは、「人生80年時代ですから、高齢者とは80歳以上だと思います。私はまだ青年なんです」と穏やかな笑顔で話していた。