原節子さんのエッセー確認 雑誌「想苑」に寄稿
戦後の日本を代表する映画女優で、昨年95歳で亡くなった原節子さんが1946年、雑誌に寄稿したエッセーが確認された。満員電車の車内の光景から、新しい時代の日本人のあるべき姿を提言する内容。7日発売の文芸誌「新潮」に掲載される。
エッセーのタイトルは「手帖(てちょう)抄」。福岡県久留米市の金文堂出版部発行の季刊雑誌「想苑」(46年11月号)に掲載された。省線電車内で乳児の泣き声を巡り「やかましいぞツ!」という乗客の怒鳴り声と「母親の身にもなつてみよ」という応酬を描写。「日本人は世界でも最も優秀な民族であると考へ、自惚(うぬぼ)れてゐた」と戦前を顧みた上で「日本人の誰もが自分とこの祖国を正当に再認識してほしい」と、新生日本に向け提言している。