また一つ、巨星が落ちた。１９８０年代にデュオ「ワム！」で「ケアレス・ウィスパー」「ラスト・クリスマス」などの大ヒット曲を連発し、解散後はソロとしても絶大な人気を誇った英歌手ジョージ・マイケルさんが２５日、英南部オックスフォードシャー州の自宅で死去した。５３歳。死因など詳しい状況は不明。英メディアが伝えた。「ラスト・クリスマス」の歌手が亡くなった日はくしくも、クリスマスだった。　　　　　　

　マイケルさんの広報担当者は「自宅で安らかに亡くなった」としている。地元警察によると、救急隊が２５日午後自宅を訪れ死亡を確認した。不審な状況はないという。

　来年３月には自身のドキュメンタリーが公開される予定になっていた。

　マイケルさんは６３年、ロンドン郊外で、ギリシャ系キプロス人の家庭に生まれた。

　８０年代初めにアンドリュー・リッジリーとのデュオ「ワム！」でデビュー。「ウキウキ・ウェイク・ミー・アップ」「クラブ・トロピカーナ」などの大ヒットを連発し、世界的な人気アーティストに駆け上がった。

　ワム！は８６年の英ウェンブリー・スタジアム公演で解散したが、その後も甘いマスクと声を武器にソロ歌手として活躍。８７年の初ソロアルバム「フェイス」が１５００万枚のセールスを記録するなど、１億枚以上のアルバムが売れた。１４年に１０年ぶりのアルバムを発表している。

　プライベートでは９８年、米ロサンゼルスの公衆トイレでわいせつ行為で逮捕されて罰金刑を受け、その際にゲイであることを公表。０５年１２月にドキュメンタリー映画のプロモーションで来日した際には、同性の婚約者を伴っている。

　０６、０８、１０年に大麻やコカインなど薬物所持で逮捕され、服役したこともあるが、晩年まで高い人気を保っていた。