不正疑惑問題の三浦九段「元に戻して」 出場停止処分に弁護士「極めて不当」
日本将棋連盟の谷川浩司会長は27日、ソフト不正使用の証拠はなかったとする第三者調査委員会の報告を受け、三浦弘行九段(42)に謝罪の意を表明するとともに、幹部の減給処分を発表した。同日会見した三浦九段は「元の状態に戻してほしい」と述べ、名誉回復の方法や出場停止処分中の補償を巡って協議する考えを示した。谷川会長は会見で「三浦九段につらい思いをさせた。申し訳なかった」と述べた。連盟の処分は谷川会長、青野照市専務理事、島朗常務理事を3カ月間、10分の3の減給とする。
会長は、三浦九段の休場処分が解かれる来年1月から対局に復帰させる方針を示した。不正疑惑の根拠とされた離席について「事実と違う部分もあった」とした上で「電子機器への対応が遅れたことなど反省すべき点は多々ある」と述べた。調査委の結論について、会長は「妥当な判断だった」と評価した。
三浦九段は「竜王戦に出られなかったのは本当に残念」と話したが、早期復帰にも意欲を示した。同席した代理人弁護士は、連盟の出場停止処分を「やむを得なかった」と判断した調査委の報告について「極めて不当だ」と述べた。三浦九段は10月15日からの竜王戦7番勝負で渡辺明竜王への挑戦者に決まっていたが、12日に出場停止処分を受けた。