松本幸四郎「黄金の日日」で共演の根津さん悼む「最後まで根津甚八貫き通した」
2010年に俳優を引退した根津甚八=本名・根津透=さんが29日、亡くなったことがわかった。69歳だった。所属事務所が発表した。この日昼過ぎに亡くなったと連絡が入ったという。
1978年、大河ドラマ「黄金の日日」で脚光を浴び、82年の映画「さらば愛しき大地」で日本アカデミー賞主演男優賞を受賞。ほかに「吉原炎上」などでも存在感が光った。演技同様に寡黙な人柄だった。
「黄金の日日」に主演し、根津さんと共演した歌舞伎俳優・松本幸四郎(74)は文書でコメントを発表。「NHK大河ドラマ『黄金の日日』で38年前に1年間共演しました。何かその時から、今回の彼の人生の終結を予感させる内容でした。根津甚八は最後まで根津甚八を貫き通したような気がします。キラキラ、ハラハラさせる役者人生でした」と追悼した。
同作が出世作となった根津さんは、幸四郎演じる助佐の友人で、後に大盗賊となる石川五右衛門役だった。
同作にヒロイン役で出演した女優・栗原小巻(71)は「松本清張先生原作のドラマ『風の息』、大河ドラマ『黄金の日日』等、ドラマで共演しました。舞台も拝見しました。俳優の仕事を愛していた人なので、ご病気との闘いは、お辛かったと思います。可能性にあふれた素晴らしい俳優でした。心から、ご冥福をお祈りします」と哀悼の言葉を寄せた。