【SMAP検証】メンバー全員が全ての歌詞とメロディーに自分を重ね合わせた
【SMAP解散企画・SMAPと「世界に一つだけの花」】
「この歌、大好きなの」何年も前の『さんま×SMAP美女と野獣のクリスマス』(日本テレビ系)でゲストの浅野ゆう子は『雪が降ってきた』をベストソングにあげ、目を輝かせた。
SMAPの数あるナンバーの中で「どの曲が好きか」と問うと、老若男女の誰もがお気に入りの曲名をあげ、口ずさむ。こんなアイドルというのもSMAPだけではないだろうか。
歌の話になると「僕のマイクにだけ電池が入ってないんで」と照れ隠しするのは中居正広だが、「カラオケ行ったら中居くんの歌が上手でビックリした」「バラードとか、すっごくいいの」と、うっとりしていたのは『笑っていいとも!』(フジテレビ系)で共演していた久本雅美と柴田理恵である。
SMAPの歌唱力については色々な意見があると思うが、ユニゾンで歌ったり、ソロでそれぞれのパートを歌ったりする彼らの歌には「味がある」「彼らだからこそ歌える曲がある」と評価する音楽関係者は少なくない。
何曲も作詞、作曲して提出したのに、なかなか採用にならなかったことをTwitterで明かしたのは小室哲哉。果たしてアルバム曲の一曲に入り、「5人に歌ってもらったときは嬉しかった」「関われて幸せ」と呟いた。
爆笑問題の太田光や宮藤官九郎といったジャンル違いの人たちから、スガシカオ、山崎まさよし、さらには、「ゲスの極み乙女。」の川谷絵音らその時代における新進気鋭のミュージシャンまで、SMAPに詞や曲を提供したことを心から誇らしく感じているアーティストは数えきれない。
そして槇原敬之による『世界に一つだけの花』だ。槇原もまた最初に提出した曲はボツとなり、締切間際に書き上げたのが『~花』だったと明かしている。
当時、槇原にとっても自分を見つめ直すための一曲であり、SMAPにとっても、アルバム曲からファンの強い要望を経てのシングル化。主演ドラマ『僕の生きる道』の主題歌だった草なぎ剛はもちろん、メンバー全員が全ての歌詞とメロディーに自分を重ね合わせた楽曲だったと思われる。
振り付けを担当したのはKABA.ちゃん。この振りというのも老若男女の多くが知っている日本一有名なものではないだろうか。
そして『SMAP×SMAP』(同)最終回でメンバーが選んだのがこの曲。特に全身で想いを表現していたのが中居で、右手を掲げ、指を折り、手を振る特別な振り付けがアップにされた。「バイバ~イと言っているような…」とコメントしている人も居たが、私には永遠に輝く5つ星がさらにキラキラ輝いているように見えた。
『世界に一つだけの花』はついにトリプルミリオンを達成した。明日は「花摘み運動」を始め、今年本当に踏ん張ったSMAPファンについて書かせていただく。(放送作家・山田美保子)