豊洲市場 環境基準79倍ベンゼン検出 小池都知事「想定超える数値」
築地市場(東京都中央区)の移転先となる豊洲市場(江東区)の地下水モニタリング調査の最終結果で、有害物質のベンゼンが最大で環境基準の79倍検出されたことが14日、分かった。201カ所を調査し、72カ所から有害物質が出た。最大で基準の3・8倍のヒ素、検出されないことが基準のシアンも検出された。
土壌汚染対策を検討する「専門家会議」座長の平田健正放送大和歌山学習センター所長は記者会見し、近く再調査を実施して3月中に結果を公表する考えを示した。小池百合子知事が移転の可否を判断する時期がずれ込む可能性もある。
平田座長は、このような数値の急激な上昇はあまり例がないと指摘。調査間隔を短くするほか、精度を高めるため3団体に依頼する。委員からは、地下水管理システムや、水を採取した観測用の井戸に原因があった可能性などが挙げられた。
過去の調査と桁違いの数値に、築地市場の業者には憤りと動揺が広がった。早期の移転判断を小池知事に求めてきた業界団体関係者も「今になってこういう事態になり、改めて驚いている」と困惑した。