左江内氏ダンスは「観賞用」、恋ダンスの二番煎じじゃない?
堤真一が家庭や会社ではさえない中年サラリーマン、しかし事件が起きればスーパーマンとして活躍するドラマ「スーパーサラリーマン左江内氏」(日本テレビ系、土曜、後9時)が14日にスタートした。エンディングでは三代目 J Soul Brothersによる主題歌「Happy?」をバックに、堤や小泉今日子ら出演者が華麗なステップを披露している。一見すると昨年10月期にヒットしたドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」(TBS系)で話題になった「恋ダンス」の二番煎じのようにも思えるが…。監督・演出の福田雄一氏や番組の公式ツイッターなどは、構想1年で視聴者に踊ってもらう気はない、という“ガチダンス”だと語っている。
15日に投稿された番組公式アカウントによるツイートには、踊る堤らの写真を添えて、「福田監督のリクエストで、TVの前の方々に踊ってもらう気一切無しの本格ダンスなので、ただの観賞用です 踊れちゃう役者さんってやっぱり凄い」という解説がなされている。
エンディングにダンスを踊る理由を福田監督は「1年前にさかのぼる」とPR番組で明かしている。2人が手がけた「才原警部の終わらない明日」という舞台で、堤に三代目 J Soul Brothersの「ランニングマン」を踊ってもらい「鉄板の大爆笑だった」こと、そして、今回、主題歌を三代目 J Soul Brothersが担当することが決め手になり、「踊るしかない」という流れになったという。
エンディングにダンスを出演者が踊る、というアイデア自体は奇抜なものではなく、昨年では剛力彩芽主演の「グ・ラ・メ!~総理の料理番~」(テレビ朝日系)の例がある。15年には真木よう子主演の「問題のあるレストラン」(フジテレビ系)でも出演者がコップを用いたCUPSというダンスを披露した。少し前ならば11年の「マルモのおきて」(フジテレビ系)で鈴木福と芦田愛菜が踊った「マル・モリダンス」が大きな話題になった。
とはいえ、「逃げ恥」の次クールの作品でのダンスとなれば、「恋ダンス」を思い起こしてしまうのは仕方がないこと。「-左江内氏」側も思い切ったもので、主人公の左江内が第1話の中で「恋ダンス」をカラオケボックスで練習するシーンが織り込まれている。背景には「火曜日はハグの日」と「逃げ恥」の平匡さんとみくりを思い出してしまう張り紙まで張られている“オマージュぶり”だ。
「-左江内氏」には小泉今日子を筆頭に、元AKB48の島崎遥香、元ももいろクローバーの早見あかりといった、本業で踊ってきたキャストがそろっていることも特徴としてある。「逃げ恥」を意識しつつも、独自の楽しさ、色を加えている「左江内氏ダンス」。「ぱるるキレキレ」、「さすが元ももクロ」など盛り上がりながら楽しむのが、ちょうど良いのではないだろうか。