NHK籾井会長 最後の定例会見で「ハッピーだった」受信料値下げ果たせず恨み節
24日をもって任期満了で退任するNHKの籾井勝人会長が19日、最後の定例会長会見に臨んだ。
冒頭で「はじめに、視聴者をはじめNHKにご支援ご協力をいただいた方にお礼申し上げます」と感謝した。もともと、放送畑出身ではないことを踏まえ、「NHKならではの体験をさせていただきました。とてもハッピーだったと実感しております」と所感を述べた。
また、昨年8月に放送センター建て替えの基本計画がまとまり、キャッシュフローに余裕があると判断した籾井会長は、今年10月からの受信料の値下げを計画したが、経営委員会に認められなかった。このことを「理解しがたいと思っています」と表現した籾井会長は「財政的に余裕があれば視聴者に還元する。(受信料の)支払い率が上がれば受信料の値下げにつながる。そうした実感を視聴者の皆さまに得ていただく絶好の機会だっただけに非常に残念です」と恨み節だった。「近く公表される経営委員会の議事録をよく読んでみてください」と議論の内容が周知されることを望んだ。
この日は体調不良で顔色も良くなかったが、質問に一つ一つ答えていた。
籾井会長は14年1月に就任。就任会見で「政府が右というものを左というわけにはいかない」など、公共放送のトップらしからぬ発言が目立った。15年3月には私用のハイヤーの代金を請求。その資質が問題視されてきた。
昨年12月1日の定例会見では、自身の後任に次々と名前があがることに、「オレの名前はないの?」と冗談を飛ばしていた。
後任にはNHK経営委員の上田良一氏(67)が決まっている。