桂春之輔「四代目 春団治」襲名 「師匠の遺言」で決意
落語家の桂春之輔(68)が2日、大阪市内で会見し、昨年1月に亡くなった師匠・三代目桂春団治さん(享年85)の名前を継ぎ、四代目を襲名することを発表した。春之輔は大名跡の襲名に「新しい春団治というものを作り上げていきたい」と決意を語った。来年春ごろ、地元・大阪から襲名披露興行をスタートさせる方向という。
三代目春団治さんの死去から約1年。上方落語の大名跡を弟子の春之輔が襲名する。
師匠の三代目は戦後、上方落語の復興に尽力し、六代目笑福亭松鶴さん、三代目桂米朝さん、五代目桂文枝さんと共に「四天王」として絶大な人気を集めるなど、過去三代の春団治は明治以降、大きな足跡を残した。まばゆい功績を知る春之輔は、歴代の春団治が演じてきたネタではとてもかなわないとしながら、「初代、二代、三代にない芸を自分なりに作りあげていきたい。新しい春団治というのを作り上げていきたいと思います」と力強く決意を述べた。
四代目襲名は、偉大な師匠の遺言だった。先月中旬、一門が集められ、春団治さんの遺言開きが行われた。その席で意向を知らされたといい、「資格があるのかと熟慮しました」と神妙に振り返った。一方で、「師匠の遺言であると伝えられたからには当然引き受けるべきであろうと思いました」と述べ、自身を師匠から与えられ、五代目に与える“与代目”と表現した。
1965年に三代目に弟子入りして以来、褒められたことは1回もないと振り返った春之輔。師匠からの「芸人は人間性やぞ」という言葉をかみしめながら、来春にもスタートする襲名披露興行へ向けてまい進する。