大竹しのぶ「褒められたくて一生懸命」魅せた“少女の笑顔” ブルーリボン主演女優賞
東京映画記者会(デイリースポーツなど在京7紙で構成)が制定する「第59回ブルーリボン賞」の授賞式が8日、東京・イイノホールで行われた。「後妻業の女」で主演女優賞を受賞した大竹しのぶ(59)は、同賞が復活した1975年度に新人賞を獲得したことを振り返り「(当時も今も)監督に褒められたくて一生懸命やっている」と喜びを語った。昨年の主演男優賞・大泉洋(43)が、同じく昨年の主演女優賞・有村架純(23)とともに司会を務めた式は爆笑続き。来年の司会を務める大竹は「心配です」と困惑顔だった。
椿があしらわれた黄緑の和装で登壇した大竹は、デビュー当時に思いをはせた。
復活したブルーリボン賞の新人賞を獲得した映画「青春の門」の撮影前。ロケ地に向かう駅まで見送りに来てくれた父が「芸能界のことは分からないけど、自分をしっかりもって一生懸命にやってください」と声をかけてくれた。「それから42年、何一つ変わっていない。監督に褒められたくて、褒められたくて一生懸命。2人の若い女優さんと同じ気持ちでやっている」と、ともに受賞した助演女優賞の杉咲花(19)新人賞の岡村いずみ(27)に視線を向けた。
コメディー色の強い今作では、資産家男性をだます悪女を、自然な“怪演”で表現。司会の大泉から「あの色気は計算?」と聞かれ「何も。鶴橋康夫監督が喜んでかけるカットが聞きたかっただけ」と、10代の少女のような笑顔を見せた。
今回の戴冠で助演女優賞(86年度)も含め“3冠制覇”となったが「いつかリアリティーのあるおばあちゃんの役で、またここに戻って来たい」とさらなる受賞に意欲をみせた。
初心を保つ希代の天才女優も、主演男優賞の松山ケンイチ(31)と務める来年の司会には、不安を隠せなかった。今回は大泉が爆笑をかっさらっただけに「厳かで真面目な授賞式だと思っていたのに…」「ケンイチくんとじゃ無理です。来年来て下さい」と大泉に泣き言を連発。そんなやり取りで会場をしっかり沸かせ、コメディエンヌぶりをきっちり発揮していた。