河合美智子、映画あいさつで「元気になりました」 一青窈の歌には感涙
昨年8月に脳出血を患った女優、河合美智子が11日、都内で行われた出演映画「ママ、ごはんまだ?」の初日舞台あいさつに出席した。主演の木南晴夏や、藤本泉、原作者の一青妙、主題歌を歌う一青窈に続いて、白羽弥仁監督の腕を借りながら舞台に立った。退場時も監督やスタッフの助けを借りながらも、自分の足で階段を降りた。
出演者が順番にあいさつする中、「河合美智子です。妙さんと窈さんのお母さん役をやらせていただきました。かづ江さんという役だったんですが、私の本名も一栄(かずえ)といいます」と親近感を持って演じ切ったことを、元気に語った。
料理が作品中で大きな位置を占めるため「とにかく毎日毎日、何かを作っているシーンだったので、てきぱきとできるようにと思って頑張っていたんですけど。指が短くて、不器用そうなんですよね。それが監督に申し訳なかった」と撮影エピソードも披露した。
舞台あいさつでは一青窈が主題歌「空音」(そらね)を熱唱した。河合は木南、藤本とともに傍らで涙。時折、目をぬぐいながら、「本当に…皆さん幸せですよね。私も幸せです。『空音』大好きで、目の前で聴けてどうしようという感じなんですけど。私よく分からないんですけど、ツイッターとかいろいろあるじゃないですか。拡散?みたいなのをしていただければうれしいです」と映画をPRした。
白羽監督からは「河合さん、こんなに元気になりました」と水を向けられると右手を上げて「元気になりました!すいません。何かごめんなさい。ご心配をおかけしましたが大丈夫です。今日のために頑張りました」と報告し、観客から拍手で祝福されていた。
「ママ、ごはんまだ?」は歌手の一青窈の姉、一青妙のエッセーが原作。台湾人の父と日本人の母との間に生まれた妙は、家族4人で暮らした家を取り壊す際に木箱を見つける。中に入っていた台湾料理のレシピがきっかけとなり、母の姿や思いを追いかけていく。
映画で妙・窈姉妹の母親役を演じた河合が脳出血で倒れたのは昨年8月13日。この映画の撮影は終了していた。都内のスタジオで足が動かなくなるなどの異変が生じ、救急車で搬送された。4日間集中治療室に入り、その後も特別室で治療を受け続けた。
9月27日にリハビリ病院に移り、今年1月10日に退院した。1月17日に取材の応対をした際には、発症当時のことを「メデューサに会って、右足から石化していく感じですね」とまひが広がっていく様子を表現した。この時点で右半身が不自由ながらも、日常生活は送れる状態に回復していた。