鈴木清順監督死去 渡哲也「新しい感覚の監督だった」 悼む声相次ぐ
「ツィゴイネルワイゼン」など独特の色彩感覚と映像美学で知られた映画監督・鈴木清順(本名・鈴木清太郎)さんが13日、慢性閉塞性肺疾患のため、都内の病院で亡くなった。93歳。日活が22日、報道各社に発表した。葬儀・告別式は故人の遺志により、近親者で営まれた。
ゆかりの俳優らからは悼む声が相次いだ。
渡哲也「映画『東京流れ者』に出演したのは、芝居のしの字も分からなかったときで、監督の言うままに動き、手取り足取り教えていただいた。監督の演出は、ワンシーンごとに色ががらりと変わる。斬新でした。映画は1本しかご一緒しませんでしたが、『流れ者には女はいらない』というせりふとともに、新しい感覚の監督だと思ったことを今も強烈に覚えています。お亡くなりになって残念です」
大楠道代「とても悲しくて残念ですが、あえてやすらかにお眠り下さい…とは言いません。どうせ、彼方(あちら)の世界で、プロデューサーの荒戸(源次郎)さん、原田芳雄さん、松田優作さんたちと、破天荒なことを企てているのでしょうから」
小林旭「日活時代から語り尽くせぬほどの想い出がありすぎて言葉がありません。ただただご冥福をお祈りいたします」
高橋英樹「日活時代に『けんかえれじい』を始め、様々な作品でお世話になりました。ユニークな演出法で当時の若い私にとりましては、とても勉強になりました。ご冥福をお祈りいたします」
陣内孝則(93年「結婚」に主演)「リアリティーにとらわれない冒険心あふれる大胆な演出をされる魅力的な監督でした。撮影中、『今日は出し(次の予定)があるので…ここで撮影終了します』と言う助監督に、主演だった私が『え!?俺?大丈夫だよ』と言ったら、横から清順監督が『へへへ…僕です…CMです…』と申し訳なさそうに…イタズラが見つかった少年のようなチャーミングな笑顔でおっしゃった事を昨日の事のように思い出されます。ご冥福をお祈りいたします」