のん声優起用は騒動前の3年前に構想 監督が明かす
大ヒット中のアニメ映画「この世界の片隅に」が、「おおさかシネマフェスティバル2017」の日本映画作品賞に選出され、5日、片渕須直監督が大阪市内で行われた授賞式に出席。主人公・すずの声を担当した女優・のん(能年玲奈)に関して、事務所独立騒動以前の3年前から起用を考えていたことを明かした。
戦時下の広島・呉を舞台にした同作は、製作費が少なく、一般から出資を募り、約4000万円が集まって完成。口コミで話題となり、上映館が公開時の63館から、現在は300館を超えている。
片渕監督は企画から完成まで6年かかったことを明かし、協力してくれた人々に感謝。原作コミックを映画化した意図について「いろいろ理由をつけようとしても、映画の神様が耳元でささやいたとしか思えないんです。自分が知らない時代、世界を生きた人たちのために描かなければと」と語った。
授賞式の司会を務めた浜村淳氏が「すずちゃんの声を担当したのんさん。これがまた、よかった」と絶賛すると、片渕監督は「これまた映画の神様です。この人だなと思ってから3年。その間、ずっと色んなことを考えましたが、やはり最初に思ったとおりだと」と起用までの経緯を説明した。
のんは13年にNHK連続テレビ小説「あまちゃん」のヒロインを演じ、ブレークした。「3年前」となると、「あまちゃん」直後に構想したことになる。