浜村淳氏 アカデミー賞誤発表をリプレイ実況
映画評論家の浜村淳氏(82)が5日、大阪市内で行われた「おおさかシネマフェスティバル2017」授賞式の司会を務めた。
毎年約2時間、各受賞者を迎えての映画トークで、新旧の映画作品の内容もキャストも間違えることなく、マシンガンのような浜村節で語り続ける名物イベント。
この日は冒頭で、先日の「第89回アカデミー賞」授賞式での作品賞の誤発表騒動の話題からスタート。
「あの世界で最も権威のあるアカデミー賞でさえ、89回目で、えらい間違いがありましたですね」と切り出し「作品賞のプレゼンテーターは、ウォーレン・ベイティ、79歳になっております。そしてフェイ・ダナウェイ、76歳。この2人は、60年昔、『俺たちに明日はない』、ボニー&クライドで名作で共演した名コンビです。しかし!」と、その後の誤発表騒動の状況を、克明にリプレイ解説。
さらに、止まらない浜村氏のトークは受賞作「ムーンライト」のあらすじ解説に突入。「小学校中学校高校と、いじめられっ子がおり、この坊やが…お父さん代わりにかわいがってくれた人が麻薬の密売人なんですね…」と続き「そしてラストシーンですよ、みなさん!」。
危うくネタバレしかねない勢いに、会場から笑いが起こる中「ラスト30分にわたってね、いじめられていた少年と、唯一いじめなかった少年が、何十年ぶりかに会い、この2人だけの会話でね、30分ほど映画をつなぐんですよ」と絶好調だった。
浜村氏は「30分、普段ならダレてダレてどうしようもないが、それをいささかもダレさせない。見事な演出ですね。感心しました。手に汗握りました。いつダレるか、と思っていたら、最後までダレさせない。監督の見事な腕、これが買われてアカデミー賞やったと思います」と論評していた。