昨年１２月に都内で乗用車を運転中、ひき逃げ事故を起こし、６日に不起訴処分となったお笑いコンビ・ＮＯＮ　ＳＴＹＬＥの井上裕介（３６）が７日、所属事務所である吉本興業の東京本社で会見を行った。改めて被害者や関係者に謝罪するとともに、謹慎中の行動や復帰に向けて思いを吐露。冒頭には４０秒以上も頭を下げ、終始涙を流しながらの号泣会見となった。

　黒のスーツをまとい、神妙な表情で登場した井上は、冒頭で被害者や関係者、ファンに謝罪。報道陣から促されるまで４５秒間、深々と頭を下げ続けた。

　顔を上げた目は真っ赤。大粒の涙を浮かべていた。事故の詳細について「自分の都合のいいように解釈してしまい、当たっていないのではと思い込んだ」とその場を立ち去った理由を説明。「逃げたという意識はないです」と、逃亡については否定した。

　約３カ月の自宅謹慎中は「一歩も家から出なかった」という井上。事故当初は食事や睡眠もとれなかったことから酒量が大幅に増え、ショックからテレビのバラエティー番組を見ることもできなかったという。被害者とは、事故の３日後に面会し謝罪。「もう謝罪の気持ちは十分に伝わりました。なので、早く劇場やテレビで漫才をしている姿を見せて、私を笑わせて下さい」と泣きながら激励された。井上は「僕はこんなお優しい方に、本当に申し訳ないことをしてしまったんだなと思った」と不始末を悔い、再び瞳をぬらした。

　２月のイベントでは会見に同席する意志を示していた相方の石田明（３６）はこの日、大阪と福岡で仕事のため出席できず。それでも会見前には連絡を取り、「しっかり謝罪してこい」と励まされたという。井上は、自身の謹慎中に１人でＮＯＮ　ＳＴＹＬＥを支えた相方に「石田くんにはどんなことがあっても迷惑を掛けてはいけない」と感謝した。

　今後については当面、迷惑を掛けた仕事先や関係者への謝罪行脚を優先させる。「ＮＯＮ　ＳＴＹＬＥを見たくて足を運んで下さる方々に、見られて良かったなと思ってもらえるように一生懸命お仕事を頑張れたらと思います」と必死に前を向いた。関係者によれば今月中にも、事故の影響で欠席したテレビの生放送や、コンビとしての舞台などで仕事復帰を果たす予定だという。