慎太郎氏、小池知事への怒りの大演説「文明国家の恥だ」「非常に不可解」
元東京都知事の石原慎太郎氏(84)が20日午後、東京・豊洲市場の移転問題を検証する都議会の調査特別委員会(百条委員会)に証人として出席した。
冒頭、石原氏は2年前に脳梗塞を患い記憶があいまいな部分があると説明したが、強気の慎太郎節は健在。小池百合子知事の移転延期決定に怒りを爆発させた。
石原氏は、自民都議の質問の最後に豊洲問題に関して「小池知事の言葉を借りれば『安心と安全』。これがこんがらがっている。その両方を成り立たせたいのだろうが」と切り出し、大演説を展開した。
土壌汚染の専門家が豊洲の安全性を指摘していると主張し「日本の土壌汚染の専門家の権威も言っているが、人間の英知の結晶である科学が、風評の前に負けるのは文明国家として恥だ。小池さんはすみやかに決断して移転すべきだ」と訴えた。
小池氏の移転延期を決めたことに対し「延期を議会にもはからずに発表したのは、議会軽視の最たるものだと私思いますよ。議会にもメンツがある。知事1人で、膨大な予算がともなうことを。かつてピラミッドの頂点にあった人間としては、非常に不可解だ」とまくしたてた。
慎太郎節は止まらず「これは彼女の不作為の責任が問われる」と断じ、「私は裁可した責任で民事訴訟も起こされているが、荒唐無稽な話で、日本の法治国家で考えられない」との不満も。「議会を無視して膨大な予算の伴う延期を裁定してしまうことは、被害者である築地で生殺しになっている業者を含め、民事訴訟が起こらないのは不思議なくらいですよ、これは」とも述べた。