倍賞千恵子 「男はつらいよ」さくら像除幕式

 映画「男はつらいよ」シリーズの主人公・車寅次郎の妹で、女優の倍賞千恵子(75)が演じたさくらの銅像が東京・柴又駅前に完成し、25日、除幕式が行われた。シリーズを手がけた山田洋次監督(85)と倍賞が駆けつけ、大勢のファンと完成を祝した。

 同所には1999年、旅に出ようとする寅さん像が設置され、その目線の先にさくら像が設置された。寅さん像ができた当初から、対となるさくら像を熱望する声があり、2015年に地元の観光協会が葛飾区に製作を依頼。約1600万円をかけて完成させた。

 山田監督は新たな像のため、旅立つ寅さんと見送るさくらの短いシナリオを創作。世界観を構築し、寅さん像と同じ彫刻家の吉田穂積氏が高さ約160センチの像に具現化した。

 倍賞は「私の妹がいるような感じがしています。これは倍賞千恵子じゃなくて、諏訪さくら」と感慨深げ。像のかかと部分に自身の名前から1文字とった「ち」と書き込んでおり「触ると御利益があるんですって」と笑わせた。寅さん像が18年間、1人で柴又駅前を彩ってきたため「お兄ちゃん、もう寂しくないよ。私がいるからね。いつ帰ってくるの、今度は?」と役になりきって呼びかけた。

 山田監督は新作「家族はつらいよ2」(5月27日公開)が待機。映画界の現状を問われ「ネットの時代になったのが僕は悲しい。映画館の大きなスクリーンで上映されると思って作っていて、パソコン画面で見るものを作っているつもりではない。劇場でみんな一緒に笑いながら見る体験をしてもらうために作っているから」と言葉に力を込めた。

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