テレ朝前ドラマ制作部長、経費不正使用で降格 605件、559万円
テレビ朝日が28日、前総合編成局ドラマ制作部長の男性(57)を、会社経費の不適切な使用により3月21日付けで懲戒処分上の降格処分としたことを発表した。同日付けで部長職も解任した。すでに男性は全額を局に返還しており、テレビ朝日は刑事告訴する予定はないとしている。
テレビ朝日の発表によると、2010年4月から今年の3月にかけて行われた。経理担当の藤ノ木専務は「個人的な会食等で計605件、559万円余りの会社宛の領収書を得て、会社から払い戻しを受けていた」と説明した。「不適切な会社経費の使用があったこと、会社の信用を傷つけたこと」が処分の理由とされた。同氏は現在、部長としての仕事の引き継ぎを行っており、終了後の処遇は未定とした。
発覚の経緯は発端は「週刊誌の報道によるもの」とした。本人へのヒヤリングを経て、処分を決めた。同社の規定では懲戒解雇、諭旨退職に次ぐ処分にあたる。仕事としての会食と個人としての会食の境目がなくなってしまったことが動機だという。テレビ朝日は文書で、「会社経費の不適切な使用など会社に損害を与える行為がなされたことは、非常に遺憾です。視聴者、関係者の皆さまにおわびいたします」とコメントした。
同局には「相棒」、「ドクターX」といった看板ドラマがあるが、早河洋会長兼CEOによると両作について、「彼が制作したことはありません。ドラマ全般といいますか、プロデューサーを管轄するポジションです」と説明。また、藤ノ木専務は今後の両作品への影響は「聞いておりません」とした。