つんく♂「自分に負けない!」 母校・近大入学式で新入生にエール

 クミコ(左)の横でギター伴奏をするつんく♂=大阪府東大阪市、近畿大学東大阪キャンパス
新入生に向けたつんく♂の祝辞のメッセージ  
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 喉頭がんで声帯を全摘出した歌手で音楽プロデューサーのつんく♂(48)が1日、母校・近畿大学(大阪府東大阪市)の入学式にプロデューサーとして参加した。スクリーンに映し出された祝辞では、食道発声を覚え、日常生活に生かし始めたことを報告。自身の新たな挑戦を明らかにし、約7500人の新入生にエールを送った。

 自身の新たな挑戦を、新世界へ飛び込む後輩たちへのエールに代えた。つんく♂は祝辞をスクリーンに映し出し、新入学を祝った。

 その言葉には、食道発声法を覚え、生活に役立てている様子がつづられていた。「僕も今、覚えたての食道発声での生活の初心者です。声質も特殊なので、話しかける事や会話に臆病になります」と、時には弱気になりながらも、試行錯誤していることを明かした。

 2014年3月にがんを公表。同年9月に「完全寛解」と発表したが、1カ月後の10月に再発。声帯の全摘出手術を受けた。

 食道発声法とは、口や鼻から取り込んだ空気を逆流させ、食道入り口の粘膜のヒダを声門の代わりに振動させて発声する方法。ゲップの要領で逆流させるのにコツがあり、反復練習が必要という。今年1月、雑誌「新潮45」に寄せた手記で「意思疎通ができるようになってきた」などと報告していた。

 祝辞ではさらに「一度病気してしまった僕は常に病気の転移や再発と背中合わせです」と、がん再発の恐れと闘う不安も吐露。「だからこそ、自分に負けないよう前に目標を置き、一つ一つ乗り越えていくしかないと思っています」と決意も示した。

 ステージでは黒っぽいスーツ姿で、首元にはスカーフ。サプライズゲストの歌手・クミコ(62)がつんく♂作曲の「うまれてきてくれてありがとう」を歌う場面や校歌斉唱では、ギター伴奏を行った。口を動かして歌詞を口ずさむ姿は、今にも声を出して歌いそうな迫力に満ちていた。

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