宝塚音楽学校“鉄の掟” 校則ではなく生徒らが自ら生み出す 自衛隊で1日訓練も
タカラジェンヌを養成する宝塚音楽学校(兵庫県宝塚市)の第105期生入学式が18日、同校で行われ、スポーツキャスターでタレントの松岡修造(49)と元テレビ東京アナウンサー・田口恵美子さんの長女・恵さん(17)も出席した。
この宝塚音楽学校の1年目は「予科生」、2年目は「本科生」と呼ばれ、タカラジェンヌに必要なダンス、歌、芝居などを学ぶ。また軍隊並みの上下関係の厳しさが有名。入学前のオリエンテーションの一環として、自衛隊での1日訓練もその一つ。例年、学校に近い伊丹駐屯地で行われ、歩行などを徹底的に教わる。その成果は、さっそく入学式に現れ、新入生40人がピタリとそろった歩幅、スピードで入場する。さらに校内では壁に沿って歩き、角は直角に曲がる。また校内での笑顔はNG。さらに阪急電車にはお辞儀しなければならない。
さらに私服も化粧はもちろん、派手な色合いは厳禁で黒、グレーといった地味な色合いで“予科服”と呼ばれている。髪の毛も一筋の乱れも許されず、男役志望はリーゼント、娘役志望はキッチリと編んだ三つ編みで、先はピンとしゃちほこのように跳ね上がっている。
だがこれらの“鉄の掟”は、校則で決まっているものではなく、生徒らが自主的に生み出し、代々受け継がれているものだ。学校関係者によれば
▽「笑顔禁止」 話を真剣に聞き、相手に失礼のないようにするため。
▽「阪急電車にお辞儀」 上級生が乗っている“かもしれない”ため。
▽「予科服」などの身だしなみ 華美な格好は避けるため。
など理由があってのことで、それが発展していまの形になったという。
また音楽学校近くには「すみれ寮」があり、自宅から通学が不可能な生徒は全員入らなければいけない。授業は午前9時からだが、それまでに入念な掃除があり、生徒らは同6時半には登校する。そのためほとんどの生徒が入学するという。
この「すみれ寮」でも独自の“鉄の掟”があり、OGによれば電子レンジの「チン」という音は出してはならず、「チン」の前に扉を開けていたという。
松岡修造の娘・恵さんは宝塚歌劇団をはじめとする阪急・東宝グループの創業者である小林一三氏を高祖父に、東宝名誉会長・松岡功氏を祖父に持ち、宝塚音楽学校の小林公一校長は父・修造のいとこという超サラブレッドながら例外ではない。厳しい掟を守り、タカラジェンヌを目指す。