さらば!ムッシュ 20年ぶり再結成のスパイダースがライブ葬

 かまやつさんをしのんでスパイダースの歌を歌う堺(左)と井上順
 「あの時君は若かった」を参列者が登壇し皆で合唱する=東京都港区六本木のグランドハイアット東京
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 3月に膵(すい)がんで亡くなったグループサウンズ「ザ・スパイダース」の元メンバーで、歌手のムッシュかまやつさん(享年78)のお別れの会が2日、都内で開かれ、堺正章(70)、松任谷由実(63)、森山良子(69)ら関係者1000人が参列した。堺、井上順(70)、田邊昭知氏(78)ら残るメンバー6人で、スパイダースをフルメンバーでは20年ぶりに再結成。「バンバンバン」などのヒット曲を天国へ届ける“ライブ葬”となった。

 音楽愛であふれ、ムッシュとのお別れにふさわしい会場だった。

 祭壇は赤いバラと白のカーネーションで、愛用のギター「VOX Mark VI」を表現された。2009年のレコーディングで撮影されたという遺影はトレードマークのニット帽姿。笑顔のかまやつさんが見つめる先に設営されたステージに、戦友6人が集まり、ライブが始まった。

 伝説のバンドの復活は、フルメンバーでは20年ぶり。デビュー曲「フリフリ」で幕開けを飾り、堺が「ザ・スパイダースでございます」と自己紹介すると万雷の拍手が起き、「お別れの会といっても、僕らには未練が残ってます。『かまやつさんと共に』の意味合いで、会を進めます」としんみりムードを吹き飛ばした。

 色あせぬ名曲を次々と披露しつつ、堺は持ち前の話術も存分に発揮した。井上が「かまやつさんはひょっこり『よぉ!!』と現れそう」としのべば、堺は「かまやつさんは遅刻の常習犯だったから」と暴露。スパイダースの平均年齢は75・7歳とあって、「頭で『フリフリ』を終わったら、もうフラフラ」と自虐ギャグまで飛ばした。

 クライマックスでは「あの時君は若かった」を、南こうせつ(68)、夏木マリ(64)、藤井フミヤ(54)、THE ALFEEら参列者全員で大合唱。ラスト8曲目はかまやつさんの歌声による「どうにかなるさ」で締めくくった。

 約1時間半の“ライブ葬”を笑顔で終えた堺は、「スパイダースはどこに出しても恥ずかしくない。今でも存在感がある」と誇らしげ。「たくさんの人が集まってくれたのは、かまやつさんがとっても魅力的だったから。一番身近にいて、熱く深く交流を持てた僕は幸せ者」とはなむけの言葉を送っていた。

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