日下武史さんが死去 劇団四季創立メンバーの1人
劇団四季の創立メンバーの1人である俳優の日下武史(くさか・たけし)さんが15日、静養先のスペインで誤嚥性肺炎により亡くなったことが16日、分かった。劇団四季が報道各社へのファクスで発表した。86歳。東京都出身。葬儀は親族のみで執り行い、後日、お別れの会を実施する予定。
日下さんは慶應義塾高校在学中から浅利慶太氏らとともに劇作家の加藤道夫氏に師事。慶応大文学部仏文科在学中の1953年、劇団四季を結成した。
54年の旗揚げ公演「アルデール又は聖女」以来、劇団四季の看板俳優として、個性的な風貌と知的で人間味あふれる演技で、セリフ劇からミュージカルまで幅広く活躍。当たり役は「エクウス」のマーティン、「ヴェニスの商人」のシャイロック、「スルース」のアンドリュー、「鹿鳴館」の影山伯爵、「赤毛のアン」のマシューなど数多い。
また、映画「南極物語」「ときめきに死す」「帝都大戦」「まあだだよ」などの外部作品にも多数出演。声優やナレーターとしても活躍し、代表作にドラマ「アンタッチャブル」のエリオット・ネス、映画「アマデウス」のサリエリなどがある。
2014年、東京・自由劇場で上演された「思い出を売る男」が最後の舞台となった。
65年に芸術祭奨励賞、77年に紀伊國屋演劇賞、91年に芸術選奨文部大臣賞、96年に紫綬褒章、02年に勲四等旭日小受章。