中村獅童がナマ告白 肺腺がん公表後初「復帰して、舞台の上で結果を残す」
18日に初期の肺腺がんを公表した歌舞伎俳優の中村獅童(44)が20日、都内で、がん公表後初めて報道陣の直接取材に応じ、「元気になって、いい舞台を務めて、舞台に復帰して、舞台の上で結果を残す。それが僕の仕事だと思います」と、復帰に意欲を示した。
獅童はこの日、北海道帯広市で講演を行う予定で、北海道に向かう前に取材に応じたもの。「ご迷惑をおかけしてすいません」と謝罪し「至って普通に、元気に過ごしております」と強調した。自覚症状も「まったくない」といい、「がんと言われてもぴんとこないんですけど…」と率直な思いを語った。
獅童は春に受けた定期健康診断でがんの疑いが発覚し、今月上旬に3日間検査入院し詳しく検査した結果、初期の肺腺がんと診断された。5月11日に医師から告知を受けたが「手術すれば絶対に完治するからと言ってもらえたので。がんというと響きが良くないというか、大変な病気だなと思いましたけど、今は早い時期に見つかって良かったという気持ちの方が強いです」と、心境を語った。
検査を受けるようになったのは妻・沙織さんの助言があったからだという。「40過ぎて、年も年だから、人間ドックとかで健康を管理するのも仕事の一つ」と諭されたことで、自分の体に気を遣うようになったという。
獅童は今月27日に都内で講演の仕事があり、それを終えてから入院し6月上旬に手術を受ける予定。10日間ほどで退院する見込みで、その後は療養とリハビリに努める。そのため福岡・博多座での「博多座大歌舞伎」(6月2~26日)と東京・歌舞伎座での「七月大歌舞伎」(7月3~27日)は休演する。
また、獅童は2015年に脳動脈瘤(りゅう)の手術を受けていた。その際は事前に手術の日程を調整し、舞台降板などはせずにすんだため、「余計なご心配をおかけしたくないという思いで発表しなかった」と発表を控えていた。今回は舞台を休むため、「後からそういうことが分かって臆測を呼ぶのも自分としても本意ではない」として公表に踏み切った。
盟友の市川海老蔵からは「目先のことではなく、先が長いので、未来に向かってまた一緒に舞台に立とう」と励まされた。復帰時期は「できるだけ早く復帰したい」としたが、役者仲間からは万全の体勢を整えてほしいと伝えられており、焦らず回復を目指す。「(自分より)もっともっと苦しんでいらっしゃる人は大勢いらっしゃると思う。そういう方たちに勇気と希望を与えることができるような人物でいたいですし、同じ病の人に早く見つかるとこんなに元気になるんだというのを自分の身をもって示したい」と前を見据えた。