ロジャー・ムーア氏死去 89歳 「007」3代目ボンド役
「007」シリーズで主人公のスパイ、ジェームズ・ボンドを演じた英俳優ロジャー・ムーア氏が23日、スイス国内の自宅で亡くなった。家族がツイッターで声明を出した。89歳。がんを患っていたという。ムーア氏は1927年、ロンドン生まれ。40年代から俳優として活動し、50年代には米国で映画「雨の朝巴里に死す」などに出演した。下積みを経て、73年に公開された「007 死ぬのは奴らだ」で3代目のボンド役を射止めた。
初代のショーン・コネリー、2代目のジョージ・レイゼンビーの後を受けたムーア氏は、スタイリッシュながらユーモアを忘れないボンド像を作りだした。85年の「007 美しき獲物たち」まで13年シリーズを支え、7作の主演は歴代のボンド俳優で最多。ユニセフの親善大使を務めるなど慈善活動にも積極的で、2003年にエリザベス女王からナイトの爵位を授与された。
昨年11月にロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホールのステージに姿を見せたのが公の場に出た最後になった。故人の遺志によりモナコで内輪の葬儀を行うという。