V6岡田、主演時代劇で黒澤明イズム継承 名カメラマン・木村大作氏と初タッグ
V6の岡田准一(36)が、時代劇映画「散り椿」(来年公開)に主演することが23日、分かった。監督は名カメラマン・木村大作氏(77)、脚本は小泉堯史氏(72)と故・黒澤明監督のDNAを受け継ぐ2人が初タッグを組み、直木賞作家・葉室麟氏(66)の同名小説を初実写化。初共演の俳優・西島秀俊(46)が演じる恋敵役と刀を交える剣豪役の岡田は、名匠2人と共に時代劇では異例のオールロケで「美しい時代劇」完成を目指す。
「美しい物を撮りたい…映画でしか出来ない美しい物を創りたい」-。“世界のクロサワ”が抱いていた映画製作の情熱を木村監督が受け継ぎ、岡田主演の時代劇で表現する。
77歳で最高傑作を目指す木村監督の思いを知る岡田は、「近くで見てきた黒澤監督への畏怖と挑戦という気持ちから『美しい時代劇』を撮りたいと思い描く監督にお声掛けいただき、こんなに嬉しいことはない」と出演を喜び、「監督と『セッション』していく感じで思いきりぶつかっていきたい」と気持ちを引き締めた。
今回の企画は、映画「隠し砦の三悪人」(58年)から5作品の黒澤作品に撮影助手として関わった木村監督が、葉室氏の同名小説の映画化を決意。「影武者」(80年)など5作品に監督助手として携わった小泉氏に脚本を頼み、公開中の映画「追憶」の撮影で一緒だった岡田を迎えた。
木村氏の時代劇初挑戦となる今作は、亡き妻の願いを叶えるために藩の不正事件の真相を追及するため奔走する剣豪・瓜生新兵衛の生き様を描く。岡田は3カ月に及ぶ殺陣の稽古を積み、自身の形をつかむ“岡田流”を開眼させた。流麗な動きを土台に、恋敵の榊原采女(うねめ)役の西島と刀を交える。共演は、黒木華、池松壮亮、新井浩文、柳楽優弥ら。
撮影は15日から開始。長野、富山、彦根の自然を相手に異例のオールロケ。木村監督は岡田に対し「こんなに全てが出来る俳優は見たことがない」と脱帽している。「傑作が生まれる。美しい物が撮れている」と秀麗な画に手応えを見せた。