藤井四段23連勝 “羽生超え”で歴代単独3位

 昨年10月に史上最年少でプロになって以来、公式戦20連勝と破竹の快進撃を続ける中学生棋士・藤井聡太四段(14)が7日、大阪市・関西将棋会館で行われた「上州YAMADAチャレンジ杯」で3連勝し、連勝記録を「23」に更新した。羽生善治三冠(46)らの記録「22」を上回り、歴代単独3位に浮上。対局後取材に応じた藤井四段は、「うれしい」を連発し顔をほころばせた。

 天才中学生が“羽生超え”を果たした。羽生三冠が1992年に作った連勝記録22を上回った。

 この日は1日で3局、それも1局の持ち時間が20分の早指しというハードな戦い。時間を使い切った後は30秒将棋となるため、1局1時間ほどで次々と記録を積み上げた。

 午前中に都成竜馬四段(27)に93手で勝利を収めると、昼食を挟んで午後1時からの対局では阪口悟五段(38)を139手で撃破。午後3時半からの宮本広志五段(31)戦も141手で勝利した。阪口戦では危ない場面もあったが、藤井四段は「内容に関しては悪いところ、反省点もあったが、結果として3連勝はうれしい」と笑顔で語った。

 対局中には羽生三冠と谷川浩司九段の扇子を使用した。将棋の世界では、憧れの棋士の揮毫(きごう)入りの扇子を使うことが多い。関係者によると、扇子は「愛用し、ボロボロになるまで使い込んでいるもの」。そんな憧れの棋士を連勝記録で抜いた藤井四段は、「ここまでこれたのは自分でも驚き。うれしいです」とはにかんだ。

 初の公式グッズとなる扇子も発売された。扇子に「大志」と揮毫した藤井四段は、「上を目指してやっていきたい。最終的にはタイトルを狙っていきたい」と決意を語った。

 次回は10日、タイトル戦へと格上げされた叡王戦の予選で、梶浦宏孝四段(21)と対局する。このまま連勝を続けた場合、最短で21日に歴代1位タイの「28」連勝に到達する。「もっと強くなれると思う。頑張っていきたい」。勢いは止まりそうにない。

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