将棋の最年少プロ棋士で、昨年１２月のデビュー以来、公式戦無敗の藤井聡太四段（１４）が１０日、東京・将棋会館で行われた第３期叡王戦の段位別予選に出場。１回戦で梶浦宏孝四段（２１）を１０８手で、２回戦で都成竜馬四段（２７）を１０８手で破った。これで公式戦の連勝は２５に伸び、歴代２位に浮上した。

　１回戦の戦型は、藤井四段が得意の角換わり。中盤の勝負所で機敏な指し回しを見せて優位を拡大し、最後は鮮やかな寄せを披露した。２回戦では、７日にプロ２１戦目の対局で対戦した都成四段との再戦。都成四段の中飛車に対して左美濃で対抗し、中盤からリードを広げて完勝。リベンジを許さなかった。

　１日２局を同手数で、ともに快勝で制した藤井四段。歴代単独２位の２５連勝については「とても幸運なことだと思います。歴代２位になれたのは、とてもうれしい」と笑顔。歴代最多の２８連勝まであと３勝となったが、「まだまだ遠い。１局１局しっかり指していきたい」と話すにとどめた。１局目の終局から２局の開始まで約６時間３０分という変則的な１日にも、その間に食事も昼食、夕食をしっかり食べ、体を十分に休めて臨んだという。

　叡王戦は昨期まで一般棋戦だったが、今期から８大タイトル戦の一つに昇格。各段の段位別予選を勝ち抜き、決勝トーナメントで挑戦者を決定する。