桂歌丸、執念の仕事復帰「1時間半前に退院して参りました」

 今月2日から左肺炎慢性呼吸不全の急性増悪のため、横浜市内の病院に入院していた落語家の桂歌丸(80)が14日、退院した。その後、歌丸は同市の神奈川県民ホールで行われた春風亭小朝(62)との落語会「特選 匠の噺会」に出席。落語は披露しなかったが、観客に謝罪とあいさつを行い、仕事復帰を果たした。

 芸への執念が、やせ細った体を動かした。歌丸は会の冒頭、着物ではなく私服のカーディガン姿で、高座の前に設置されたイスに座って登場。鼻に酸素吸入のチューブを入れた状態で「皆さま方に大変なご迷惑をお掛けして、何とも申し訳がないと思っております」と謝罪した。

 その上で「今日も着物を着て、高座の上からお客さま方に一席聞いていただかなければいけないんですが、肺炎は良くなったんですが、呼吸器の方がまだ完全に治っておりませんで、ちょっと息苦しゅうございます」と、まだ落語ができる状態ではないと説明した。

 それでも、さすがの話術で沸かせた。約10分のあいさつでは、落語の「枕」のような笑い話を次々披露。「正直言いますと、1時間半前に退院して参りました」と明かすと、拍手が起こった。

 さらに、包帯を巻いた左手首を見せながら、入院中に寝返りを打とうとして手をついた時に痛めたと説明。体重については「みっともなくて、今の目方なんてはっきり申し上げられません…。35キロなんて言えません」と、恒例となった“ネタ”の形で告白した。終演後には報道陣にも対応。体調については「まだまだ養生しないとなりませんので」としつつ、笑顔を振りまいて会場を後にした。

 関係者によると、歌丸はこの日、午前11時ごろに退院。いったん横浜市の自宅に戻った後、会場に駆けつけた。入院中は食事も普通にとっており、リハビリのために病院内を歩くこともあり、高座復帰に向け「正座の練習をしないといけない」と話していたという。

 今後は療養しつつ、17日に日本テレビ系「もう笑点」の収録に参加予定。18日の「春風亭小朝のクリエで落語」(東京・シアタークリエ)で高座復帰予定で、この日も関係者に「18日はよろしく」と意欲を示していた。

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