藤井四段 死闘12時間53分 史上最多タイまであと「2」
最年少プロ棋士の藤井聡太四段(14)が15日、大阪市の関西将棋会館で行われた順位戦C級2組の対局で、瀬川晶司五段(47)を破り、公式戦連勝記録を「26」に更新した。神谷広志八段(56)が86年から87年にかけて記録した歴代最多の「28」にあと「2」と迫った藤井は「ここまで連勝できると思ってもみなかったので、驚いている気持ちが強いですね」と淡々と話した。
午前10時から始まった対局は、藤井四段が得意とする「角換わり」の戦型となった。瀬川五段が攻め入る場面も見られたが、藤井四段は徐々にリードを広げた。終盤で瀬川五段が盛り返す場面も見られたが、108手で投了した。瀬川五段は、一度は奨励会を規定により退会後、サラリーマンを経て、当時としては異例の形で35歳でプロ棋士となった苦労人。“史上最年少”対“異例の遅咲き”の対決を14歳が制した。
この日は持ち時間が各6時間と長く、終局は午後10時53分。“スーパー中学生”は深夜に及ぶ熱戦を「順位戦で深夜の対局になると体力勝負になる部分も出てくるので、そういう部分も初めての経験になりました」と初々しく振り返った。
次戦は17日の朝日杯オープン戦1次予選で、現役東大1年生の藤岡隼太アマ(19)と対局する。同日の対局は公開が予定されていたが、藤井人気で当日の混乱を避けるため非公開となった。
いよいよ最多連勝記録を視界にとらえた藤井四段は「今後も強敵が続くので、記録は意識せずに臨みたいと思っています」と静かに闘志を燃やしていた。